春の養生〜アーユルヴェーダ的春の過ごし方〜

04. 04. 2022

みなさん、こんにちは。
三寒四温の日々、そんな中でも桜がちらほら咲き始めた地域もあるでしょうね。
私が住んでいる小豆島も4月の頭が見頃と言われていたので、
早速、先週末に桜の名所と言われる場所で、プチお花見をしてきました。

ドラマ「Nのために」や「二十四の瞳」のロケ地で知られる城山公園の桜

標高が高いところに公園があるので、午前中は少しひんやりしていましたが、
ふわりと咲く桜の花、今にもはじけそうなぷりぷりの蕾を眺めてぼーっとしている時間、贅沢な島時間が流れていました。

春はどうしてそわそわするんだろう

新年度が始まり、新しい環境に身を置く人が多いですよね。
新しい出会いや新しい仕事、ワクワクすると同時に得体知れずの不安な気持ちに押しつぶされそうになる人もいるのでは?
特に春は気持ちの浮き沈みが激しく、マインドが影響して体調を崩す人も多い印象です。

実はアーユルヴェーダの観点から見ると、春にこういった気持ちになるのは至極当たり前なんです。
次の章で詳しく書いていきますが、アーユルヴェーダの智慧を生活に活かし始めてから、不調の波が自分の心とからだを蝕んでも、「なぜそれが起こっているのか」の原因がわかり、自分を俯瞰して見ることができるようになりました。
そのせいか、毎年繰り返していた五感の乱れが軽くなったような気がします。

「結果と原因の法則」
なんだか、ビジネス書にでも書いてありそうな一文です。
これは、私がアーユルヴェーダを学んでいた時に師匠が口にしていた言葉で、
「ある事柄が起こるのは、必ず一つ前の出来事に原因がある」=「原因がわかれば、ネガティブな結果になるのを避けられる」という法則です。
自分の調子をチェックする時にこの法則が分かっていると、
ネガティブな結果になるような行動・食事を避けたり、ライフスタイルを変えられるようになります。

それでは、春に起こりやすい不調とその対策方法についてご紹介していきましょう。

春眠暁を覚えないのはなぜか

春に起こりやすい不調…ヨガの生徒さんや身近な友人から届く声で多い、
「不調ベスト3」を勝手に発表したいと思います。笑

  1. 眠い
  2. だるい
  3. 思い

(韻を踏みたいわけではありません。笑)

この3つの言葉に共通しているのは「重たさ」です。
花粉症や、それに伴う頭痛や微熱っぽい感覚もこれらの症状に拍車をかけてきます。

アーユルヴェーダでは、春になるとKapha(カファ・水と土の要素)エネルギーが増大すると言われています。
凍った雪山を想像してみてください、その雪が、春の空気や湿気によって溶け出すイメージです。
溶け出した雪(エネルギー)は、土と混ざり、しっとりと固まります。
…どうですか?これが体内に溜まると思うと、身体が重く、気持ちも落ち込む訳が理解できるのではないでしょうか。
さらに、Kaphaのエネルギーは呼吸器や鼻腔、頭の前面を司ると言われているので、
溶け出したエネルギーは粘液となって、鼻水や痰として外に出てきやすいのです。(おもしろいですよねー!)

もともと、Kaphaは水と土の要素でできたエネルギーなので、ダラダラすればするほど、そしてエネルギーを強めるものを食べれば食べるほど、不調があらわれやすくなります。
(ダラダラしたいんだけどさ!わかるよ!笑)
次の章では、この時期の食事について見ていきましょう。

軽くて、温かくて、苦いものを食べよう!

アーユルヴェーダでは、似たもの同士は引き寄せあい、
相反するものがバランスをもたらすと言われています。
その視点から、この季節に控えた方が良いものと、積極的に食べた方が良いものをご紹介します。

春に控えた方が良い食材リスト

  • チーズ・ヨーグルト・アイスなどの冷たく重い乳製品
  • 揚げ物
  • パン・パスタなど小麦を使ったもの

並んでいる文字を見るだけで、なんとなく重たい感じがするの、わかりますか?
人工的な甘さや、過度な塩分、消化しにくい揚げ物や乳製品は控えるようにしましょう。
意識的にこれらの食材を避けることで、心身が軽くなる感覚がわかると思います。

春におすすめの食材リスト

  • ケールや菜の花など苦味のある葉野菜
  • コリアンダー・ブラックペッパーなどのスパイス
  • ナッツやグラノーラなど軽いもの

苦味・辛味、酸味が必要なKaphaエネルギー。
この時期に旬を迎える野菜は、菜の花など少し苦味のあるお野菜が多いことに気がつきます。
また、スパイスは通常摂りすぎると火の要素(Pitta)が上がってしまうのですが、春の不調を感じている方は少し多めに料理に入れても構いません。

小豆島のホームメーカーズさんのカレー。スパイスたっぷりで身体に刺激が入ります。

また、冷えはKaphaエネルギーを増大させてしまうので、
できる限り食材は温めて食べるようにしましょう。

心地よさは自分でつくるもの

近頃は様々な情報が巷に溢れかえっていて、健康法一つにしても何を信じれば良いかわからないのが現状です。糖質オフ?ケトジェニック?どの方法が自分の身体に合うのかわからず、試しては辞め、を繰り返している人も多いのではないでしょうか?
アーユルヴェーダは、自分の不調は自分で治す
つまり自分を診察して、処方箋を出すようなものだと思っています。

本来の自分が心地よいと感じるものは、食べ物でもライフスタイルでも、
取り入れた途端に身体側から「ありがとう」と言われているような感覚になるはずです。
頭と首にぴったり合う枕をみつけたような、パズルのピースがハマったような感覚。

こころも身体も正直なので、自分に合わない生活スタイルを続けていれば不調にもなります。
何人に効果があったから、という他人軸で物事を考えるのではなく
「あなたにとって、どうか?」を基準に食事やライフスタイルを選んでみてくださいね。